新開地 彷徨


 戦前から1960年代にかけて新開地は、映画館、芝居小屋が立ち並び、『東の浅草・西の新開地』と呼ばれるほどの大歓楽街でした。

 しかしその後神戸の中心地は三宮に移り、かつての賑わいはなくなりましたが、それでも下町文化に溢れ風情ある町並みが残っていたその土地で私は生まれました。

 子供の頃よく親に連れられ新開地の繁華街を歩きましたが、とにかく人通りが多く活気に満ちていた光景を今でもよく覚えています。

 中学から高校生のころはまだ多くの映画館が残っており、各映画館を巡っては映画のチラシを集めていた時期が懐かしく、またストリップ小屋や福原遊郭のある路地を興味津々で学ラン姿の同級生たちと歩いていたこともありました。そのころの風景を写真に撮っておけば、といつも思うのですが、過ぎ去りし日々はもどることなく、阪神大震災でそれらの風景はほとんど消えてしまいました。

 今日7月23日の午後、かつての新開地に思いを馳せながら僅かに残る下町の片鱗を探すようにスナップ写真を楽しんでいると、明るいうちから酒を飲ませる店が多いのに気づきました。暑さで喉が渇いていた私は誘われるようにそれらの一軒の焼鳥屋に立ち寄り、一杯ひっかけてはほろ酔い気分で新開地の路地を彷徨っていました。




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